直近24時間前後の国内AIニュースを、出典を確認したうえでまとめました。
日俳連、「音声に関する生成AI利用ガイドライン」を発表。学習・生成・公開の各段階で事前許諾と対価を求める
協同組合日本俳優連合(日俳連、加盟約2,600人)は10月15日、事業者が声優らの声を生成AIで使う際の初のガイドラインを公表した。時事通信によると、声の権利を直接守る法律がないため自主基準として策定し、業界内の定着を目指すという。公式PDF(Ver 1.0)では、学習・生成・公開・利用の各段階で実演家本人の明示的かつ書面による事前同意を必須とし、一括許諾(バイアウト)は無効と扱う。AIで作った声の利用は「本人による新たな実演の提供」と同様として学習料・使用料などの対価を定め、違反時の配信停止・モデル廃棄・特別損害賠償の請求も明記する。故人の声のAI利用は原則禁止で、続編の最小限補完など例外でも遺族等の書面同意が必要。アニメ・吹き替えの演技分野は原則としてAI代替をしない、とも書かれている。読売新聞も同趣旨で報じた。
ビットフォレスト、国内WebへのAIエージェント攻撃を観測。「8時間弱」で約1万件スキャンなど10段階の推移を公開
クラウド型WAFを提供するビットフォレストは10月14日、技術ブログで、日本企業のWebサイトへのAIエージェントによる攻撃を確認したと報告した、とITmedia AI+が伝えた。10日夜から14日までに少なくとも3つのIPアドレスからの攻撃を確認。うち1つは8時間弱続き、毎秒約35件で約1万件の高速スキャン、既知脆弱性への攻撃、約250件のログイン総当たりなどツールを切り替えた10段階の推移を公開した。同社はサーバ応答を読んで次の行動を直す特徴を逆手に取り、単純な連投やcurl/sqlmapだけとは区別できるようWAFを調整したという。導入前の検証ではQwen 3.8 Flash NextやGLM-5.3 Flashを含む高性能モデル8種の攻撃を検出できたとし、検知した場合はAIエージェントだと断定できる仕組みだ、と説明。対策は脆弱性の解消と、シグネチャだけに頼らないWAFだと述べている。NHKも同日、医療機関の予約システムなどへの不正アクセスと、攻撃にAIエージェントが使われた証拠が見つかったと報じた。
出典: ITmedia AI+/NHK
さくらインターネット・PFN・NICT、生成AIを継続評価する「能動的評価基盤」の社会実装に着手
さくらインターネット、Preferred Networks(PFN)、情報通信研究機構(NICT)は10月14日、生成AIを継続的に評価・改善する「能動的評価基盤」の社会実装に向けた取り組みを始めると発表した。固定したプロンプト集だけでは学習済み評価への上振れや新しい悪用手口を捉えにくい、との問題意識が背景。NICTが開発するWISDOM-CE(出力とWeb情報の照合でハルシネーションやバイアスを検知)とWISDOM-AR(危険プロンプトの自動合成と有害回答の判定)などを基盤のコンポーネントとし、今後統合を進める。さくらは「さくらのAI Engine」上の国内外LLMへの試験適用を始め、来年度中の運用開始を目指す。PFNはPLaMo 3.0 Primeや後継を評価基盤に組み込み、日本語性能と安全性を高めた国産LLM開発を続ける。三者は2025年9月の基本合意に基づく連携の延長で、安心安全で国内完結の生成AIエコシステムを掲げる。
出典: さくらインターネット/PFN/マイナビニュース TECH+
Sakana AI、Sakana Chatのメモリを可視化する「My Fish」を追加
Sakana AIは10月15日、Sakana Chatにメモリ可視化機能「My Fish」を追加したと公式ブログで発表した。9月に入れたメモリ機能について、チャットが何を覚えているか、いつ読み書きしたか、メモリ同士の関係を一覧・ヒートマップ・つながりマップ・履歴で見られるようにした。メモリは初期オンで、好みの回答スタイルや進行中のプロジェクトなど会話をまたいで役立ちそうな情報に絞る。思考プロセス中に「メモリを確認しました」「新しいことを覚えました」などのチップも出し、タップで該当メモリを開ける。設定からメモリ自体をオフにもできる。Web・モバイルとも、アカウント→設定→メモリ→「My Fishでメモリを見る」から利用できる、と記載。
出典: Sakana AI
リコー、MoE型マルチモーダル「リコーLMM_35B-A3B」を開発。11月からオンプレキットに搭載予定
リコーは10月15日、Qwen3.6-35B-A3Bをベースに日本語のリーズニングを高めたMoE型マルチモーダルLMM「リコーLMM_35B-A3B」を開発したと発表した。総パラメータ約350億のうち推論時は約30億だけを動かし、高速・省リソースを狙う。独自のJDocQA-Reasoning Benchmark v2.0ではベースの0.816から0.841へ上がり、GPT-5.6 Sol(0.821)と同等以上、と同社は記載。j-tau-bench(telecom)では正答率が62.4%から77.7%へ15.3ポイント向上したという。最大256Kコンテキスト、画像・動画入力、ツール利用に対応。NVFP4量子化版はDGX Spark 1台で動き、BF16比で1問あたり応答時間を約3分の1(MTP併用時は約4分の1)に短縮した、と公式。11月から「RICOH オンプレLLMスターターキット」に順次搭載し、既存のLMM_27B/9Bと合わせて用途で選べるようにする。