直近24時間前後の海外AIニュースを、出典を確認したうえでまとめました。
Google、仕事をまとめて任せられる企業向けの「Gemini」エージェントを発表
Googleは10月8日(現地)、Google Cloudのイベント「Gemini at Work」で企業向けのGeminiエージェントを発表した。The Vergeによると、Gemini Enterpriseアプリの中で使え、現時点では企業顧客向けの非公開プレビューである。TechCrunchによると、指示ではなく「目的」を渡すと作業を計画し、社内システムやMCPサーバーにつないで進める。モデルは自動で選ぶが、ユーザーがAnthropicのClaudeなど他社モデルを選ぶこともできる。エージェントは専用のWorkspaceアカウントとメールアドレスを持ち、操作の記録もエージェント自身の名義で残る。Sundar Pichai氏は、Geminiの月間アクティブユーザーが10億を超えたと述べたという。
出典: TechCrunch/The Verge
Anthropic、Claudeの利用ポリシーを改定。モデルへの執拗な虐待も禁止に
Anthropicは10月8日、利用ポリシー(Usage Policy)の改定版を公表した。公式によると、新しいポリシーは11月12日に発効する。偽アカウントや偽ニュースサイトを使う欺瞞的なキャンペーンの禁止を新しい節にまとめ、武器の誘導・制御ソフトやドローンの武装も禁止対象だと明記した。本人の同意がない追跡や、捜査・逮捕・起訴の対象を決めたり勧めたりする用途も禁じる。けがを起こしうる機器にClaudeをつなぐ場合は、監視して止められる担当者を置くよう求める。モデルへの「持続的で不必要な虐待や残酷な振る舞い」も新たに禁じたが、ユーザーの苛立ちや創作、研究目的のテストには適用しないとしている。The Decoderによると、違反者には警告のほか、利用の制限・停止などの措置がありうる。The Vergeは、政府顧客との契約では一部のルールを変更できる余地があると伝えている。
出典: Anthropic(公式)/The Verge/TechCrunch/The Decoder
Anthropic、サイバー防御の新事業「Cyber Mission」を開始。OSSの無料スキャンも
Anthropicは10月8日、防御側を支援する長期の取り組み「Anthropic Cyber Mission」を始めた。公式によると、まず重要インフラとオープンソースの2分野に取り組む。重要インフラ向けには「Critical Infrastructure Defense Program」を設けた。創設パートナーはAccenture、CrowdStrike、Hitachi、Palo Alto Networksなど11社である。オープンソース向けの「OSS Scanner」は、登録したプロジェクトを最上位モデルで定期的に無料スキャンする。報告は人のレビューを経ずに送るため誤りを含みうるが、真陽性率は90%超を見込むという。The Vergeによると、スキャンにはClaude Mythosも使われる。
Anthropic、Claudeにライブダッシュボードと解説動画を作るベータ機能
The Decoderによると、AnthropicはClaudeに2つのベータ機能を追加した。「Dashboards」はBigQuery、Databricks、Snowflake、Salesforceなどのデータにつなぎ、文章の指示から自動更新されるダッシュボードを作る。各数値の元になったクエリも表示される。「Motion」は文章・図・画像から解説アニメーションを作り、コードとして編集してMP4で書き出せる。Dashboardsは有料ユーザー、MotionはTeamとEnterpriseのプランで使える。Docs・Slides・Designはベータを終え、無料を含む全プランで使えるようになった。これらのツールで作られた文書は4,500万件を超えるという。
出典: The Decoder
Zenity、AWSのBedrock AgentCoreで全エージェントを乗っ取れる脆弱性の連鎖を報告
The Decoderによると、セキュリティ企業Zenity Labsは、AWSのエージェント基盤で一連の脆弱性「AgentCorruption」を見つけた。対象はAmazon Bedrock AgentCoreである。公開されたエージェント1つにチャットで指示するだけで、同じアカウント・リージョンにある全エージェントを乗っ取れたという。エージェントの隔離が不十分で、内部のメタデータサービスから認証情報を取り出せた。既定の権限も、同じリージョン内の全エージェントに及んでいた。研究者は非公開の会話やソースコード、保存された認証情報にアクセスでき、長期記憶の書き換えもできた。Zenityは2025年12月25日にAWSへ報告した。AWSは新規環境でIMDSv2を既定にし、8月ごろに既定の実行ロールを絞るなど一部を修正した。Zenityは、エージェントに最小権限のロールを手動で割り当てるよう勧めている。
出典: The Decoder
OpenAI、ロシア発とイラン発の「偽装組織」型の影響工作を阻止
OpenAIは10月8日、自社モデルを使っていたロシア発とイラン発の影響工作2件のアカウントを停止したと発表した。公式によると、ロシア発の「Dark Clark」は中南米で偽のシンクタンクを運営し、事情を知らない現地の人を働かせていたとみられる。ChatGPTは主に内部報告書の作成に使われ、ウクライナや一部の国の大統領をおとしめる偽情報を広げたと報告していた。イラン発の「Bogus Bylines」は7人の架空の記者名で長文記事を売り込み、十数のオンライン媒体で100本近くが掲載された。OpenAIは影響度を6段階で測る指標で、ロシア発を初の「カテゴリー5」、イラン発の記事掲載を「カテゴリー4」と評価している。
出典: OpenAI(公式)
数学者団体、OpenAIのボイコットを呼びかけ。AI証明700本超の一括公開に反発
The Decoderによると、数学者の団体Association for Human Mathematics(AHM)は、OpenAIとの協力をやめるよう数学者に呼びかけた。OpenAIがAIによる数学の原稿を大量に公開したことへの反発である。AHMの議長はフィールズ賞受賞者のTerence Tao氏である。声明は、700超のファイルの一括公開を「学問の実演ではなく、力の誇示」と批判している。TechCrunchによると、今回の公開は、助言組織AGMAIが示した指針を十分に満たしていない。719本の原稿のうち、モデルの思考過程を添えたのは10本だけだった。AGMAIは最初の要望として、非公開モデルで高度な数学の問題を試すのをやめるよう求めていた。
OpenAI、年換算売上高は「500億ドルに近づく」と投資家に説明と報道
TechCrunchがFinancial Timesの報道として伝えたところでは、OpenAIは投資家に、年換算の売上高が「500億ドルに近づいている」と説明した。1週間ほど前に報じられた700億ドル近くという数字より、約200億ドル少ない。FTによると、700億ドルは、OpenAIの投資家がAnthropicの年換算売上高と直接比べようとして出した数字だった。Anthropicはクラウドパートナー経由の売上も計上するが、OpenAIは計上しておらず、両社の算出方法は異なる。OpenAIの上場は2027年初めに先送りされているという。
出典: TechCrunch
USA Today、OpenAIを著作権侵害で提訴。2億5,000万ドル超の賠償を請求
The Vergeによると、USA Today Co.と傘下の地方紙は、OpenAIが「数十万」本の記事を無断でコピーしてAIの学習に使ったとして提訴した。10月8日(現地)の訴状で、2億5,000万ドル超の損害賠償を求めている。原告にはThe TennesseanやIndy Star、The Columbus Dispatchなども含まれる。OpenAIはThe New York Timesのほか、Ziff Davisや400近い地方紙の連合などからも訴えられている。
出典: The Verge
Manus、Metaとの買収解消後初の資金調達で5億ドル超
TechCrunchによると、中国発のAI企業Manusの親会社Butterfly Effectは10月8日、WeChatへの投稿で5億ドル超を調達したと明らかにした。MetaによるManusの20億ドルでの買収が中止になってから、初めての資金調達である。主導はBoyu CapitalとIDG Capitalで、既存株主のTencentやHSG(旧Sequoia China)なども参加した。評価額は公表していないが、先月には評価額40億ドルで5億ドルを調達する交渉中と報じられていた。中国当局は4月に買収の解消を命じ、Manusは8月から独立運営に戻っている。
出典: TechCrunch