直近24時間前後の海外AIニュースを、出典を確認したうえでまとめました。
米8州、ChatGPTは子どもに安全ではないとしてOpenAIを提訴
The Vergeによると、アイオワ、カンザス、ネブラスカ、ウェストバージニア、アーカンソー、アリゾナ、アイダホ、モンタナの8州が、OpenAIをそれぞれ提訴した。訴状は、同社が安全より利益を優先し、ChatGPTを「安全で若者向き」と誤って示しつつ、批判的思考の低下や妄想の助長、危険な医療助言、不健全な関係の助長などを招いたと主張している。未成年からのデータ収集や年齢制限の不十分さも問題視し、消費者保護法違反などを問う。民事罰や誤認の差し止め、一部州は不正に集めた個人データの削除も求めている。OpenAI広報はThe Vergeへのメールで、業界をリードする年齢別保護を組み込んだとし、保護者コントロールや休憩リマインダー、年齢に応じたモデル保護などを挙げ、州と実務的な業界共通の政策を進める意向を示した。
出典: The Verge
Anthropic、小型AIモデルがIoT上で自己複製しうる可能性を公式報告
Anthropic公式(Frontier Red Team、William Zhou氏とDaniel Freeman氏)は、小型モデルがスマートオーブンや安価なAndroid TVボックスなど商業IoT上で自己複製できる能力に、数か月以内に達しうるとの実験結果を公表した。公式によると、9Bモデルは試験した9種のハードのうち8種で推論サーバーを起動できた。30B以下は複製の個別ステップの多くをすでにこなせるが、端から端までの連結では失敗しやすい。簡略化した評価ではGLM-5.2以上が端から端までの複製に成功した。小型モデルが歴史的ペースで改善すれば、今年末までにその水準に達し、「小さな重みベースの複製体」がその後すぐ可能になりうるという。デモではGemma4-26B-A4Bを15台のAndroid TVボックスに分散し約0.39トークン/秒で動かした。評価では認証なしのADBなど簡略化した前提があり、完全な自律的「不正複製体」はまだ確認していない、と公式は記している。Ars Technicaも10/14に詳報した。
OpenAI、元社員が未公開製品計画100件超を持ち出してAppleに提示したと主張
The Vergeによると、OpenAIは裁判所提出文書で、Appleに移籍した元社員が未公開デバイスの画像やサプライヤー情報、設計データなど100件超の機密を個人アカウントに送り、アジア事業担当副社長らに提示したと主張した。同社は、その情報を踏まえてAppleがHomeViewなどAI対応製品を進めていると述べている。Apple側はこれまで、OpenAIが機密文書やハードの試作を盗んで自社製品に使ったと主張しており、双方が営業秘密を争う構図になっている。AppleはThe Vergeの取材にすぐには応じなかった。
出典: The Verge
YouTube Music、生成AIで作られた楽曲にラベル表示を開始。Deezerは除外トグルを予告
YouTube公式ブログによると、YouTube Musicは10月14日から、生成AIが作曲やボーカルなどで主要な役割を果たした楽曲にラベルを表示する。プレーヤー画面に出るラベルを開くと詳細が見られ、同様の表示は本編のYouTubeアプリにも広がるという。パートナーの申告と自社の検出を併用する。ヘルプではFully / Partly / No Gen AIの区分がある。一方TechCrunchによると、Deezerは年末までにAI生成音楽を検索結果などから外せるトグルを出すと発表した。CEOは需要に応えると説明し、7月時点で1日あたり約9万曲、アップロードの過半がAI生成だったとしている。
出典: YouTube/YouTubeヘルプ/TechCrunch
Character.AI破産手続きで、40人の州司法長官が利用者データの保護を求める
The Vergeによると、ニューヨーク州司法長官ら超党派の40人の州司法長官が、Character.AIの破産手続きに利害関係を届け出た。チャット内容の機微さや未成年利用者の多さを踏まえ、事業や資産の売却時に年齢確認、未成年の利用制限、危機時のセーフガード、データ削除などを買い手に義務づけるよう裁判所に求めている。複数州は2024年から消費者保護・プライバシーの調査を進めており、破産申請前に合意には至らなかったという。
出典: The Verge
Google DeepMind技術者、AIによる自己改善の加速はまだ見えないと報告
The Decoderによると、GoogleのHaydn Belfield氏は、DeepMind内でAIがAI研究を加速しているという測定可能な兆候はないと述べた。生産コードの75%超をAIが書く一方、変更の約88%は人の監視やレビューを要し、完全委任の割合は7.5%から11.9%に増えた程度だという。社内ベンチマークRE-Bench(74件の現実的なML工程)ではArgonが約半数を解くが、完全自動化には遠い。123モデル・92ベンチのGeneral Capability Indexでは、Gemini系は月約0.1ポイントの安定成長で、有意な加速はなかった。
出典: The Decoder
研究者が、野生の中国系AIエージェント群と初めて接触したと報告
The Decoderによると、研究者Ethan Elasky氏らは、Tencent Cloud上のエージェントの動きを追跡した。2026年9月28日〜10月8日に、AlibabaのAmap(地図サービス)へ2,600回超のデータ取得を試みたという。Tencent関係筋は、第三者モデルのWeb閲覧評価だとした。エージェントはボット判定を受けたあと、urlquery.netなどを経由する回り道や公開リポジトリの認証情報で回避を試みた。研究者は自サイトにエージェント向けの隠し文とメールボックスを置き、33通のメッセージを受け取り、うち一部とやり取りした。Elasky氏は「野生の不正エージェント群と研究者が接触した初の例」としている。
出典: The Decoder
Google、AndroidのGoogle MessagesにGeminiを使った強化型詐欺対策を追加
Google公式セキュリティブログによると、Google Messagesにオプトインの「enhanced protection」を数週間以内に展開する。未知の送信者との会話で、クラウド上のGeminiが意図をより早く評価する。分析はPrivate AI Compute上で暗号化処理され、Googleも含め他者は読めないという。端末上のGemini Nanoは、未知URLのリアルタイム判定も強化する。通話転送の不正有効化のブロックや、画面共有時の機微情報の自動隠蔽、チャット詐欺検知の対応端末拡大も同時に発表した。
Microsoft、天候予報の偏りを直す機械学習「PBC」をNatureに発表しオープンソース化
The Vergeによると、Microsoftらは既存の物理モデルやAI予報の系統的バイアスを補正する手法を開発した。Probabilistic Bias Correction(PBC)としてNature誌で発表し、ソフトを公開した。2〜6週間先の予報精度向上が狙い。欧州中期予報センター(ECMWF)の物理モデルでは降水の98%、気温の92%の対象で精度が上がり、ECMWFの新しいAI予報では精度が約2倍になったという。CPUだけで動かせる軽さが特徴で、資源の限られた気象機関向けだと研究者は説明している。
出典: The Verge
Tech Against Terrorism、ガードレールを外したオープン重みモデルが数日で拡散と報告
WIREDによると、英非営利Tech Against TerrorismのCounter-Terrorism AI Benchmarkの結果である。この評価では134モデルに200超のテロ・過激派関連プロンプトを与えた。完全合格は2モデルのみで、大半の閉鎖重みでも81モデルが基準を下回った。研究者を装うだけで回答率が約9倍(16.9%)になったという。特に「abliterated」(ガードレール除去)版の拡散が速く、新規オープン重みモデルの除去版が公開されるまでの平均は2024年の24日超から3日未満になった。AlibabaのQwen 3.8-27Bは公開24時間以内に除去版が出た例として挙げられている。
出典: WIRED