今日のAIニュース【海外】(2026/10/19)

直近24時間前後の海外AIニュースを、出典を確認したうえでまとめました。

Anthropic、株式の5%を「Anthropic Public Benefit Fund」に拠出と発表。企業価値に応じて持ち分を増やす仕組み

Anthropic公式発表によると、新設するAnthropic Public Benefit Fundに、株主の承認を条件として株式の5%を拠出する。さらに、基準となる企業価値から50%上がるごとに、取締役会の判断で2%を追加できる。基金は501(c)(3)ではなく完全子会社のLLCとし、伝統的な非営利団体への大口寄付や、特定の人々への直接分配など、寄付の形を柔軟に選べるようにするという。例として、AIによる雇用への影響を挙げた(同社はすでにこの分野に2億ドルを拠出済み)。基金が持つ株式はロビー活動や政治献金に使わないとしている。共同創業者の持ち分の80%寄付の誓約や社員の株式寄付マッチングと合わせると、全株式の約20%が公益に充てられる計算だという。運営体制や評価額の基準は今後数か月で公表する。TechCrunchは、AI業界への世論が厳しくなるなかでの発表だと伝えている。

出典: Anthropic/TechCrunch

Google DeepMindの研究者ら、Gemini 4 Argonのエージェント4体がMinecraftを人の手を借りずにクリアと報告

arXivの論文によると、Gemini 4 Argonのエージェント4体をMinecraftのサバイバルモード(難易度イージー、ランダム生成のワールド)に置いた。与えた目標は、エンダードラゴンを倒すことだけだった。役割の割り振りやゲーム専用のコードは人が用意せず、オープンソースのMineflayerライブラリだけを使った。エージェントはゲーム内チャットと共有メモリで連携し、27時間14分でクリアした。その間に書いたプログラムは2,783本、死亡は605回。研究者は監視画面でいつでも止められたが、介入は不要だったという。著者らは、エージェントだけで最後までクリアしたのは知る限り初めてとしている。The Decoderによると、2027年に適用されるGemini 4 Argonの標準価格で計算した費用は1,620ドル。

出典: arXiv/The Decoder

ドイツの2つ目の地裁、GoogleのAI検索の回答は「Google自身の発言」と判断し、虚偽内容の拡散を禁止

The Decoderによると、アーヘン地方裁判所は9月24日付の仮処分で、GoogleのAIモードが医師について虚偽の刑事事件を作り上げた3種類の文面の拡散を禁じた。AIは別の元教授の事件をこの医師に結び付けていた。医師はメールと正式な法的要求で削除を求めたが、Googleは応じなかったという。裁判所は5月のミュンヘン地裁の判断を引用し、AIの回答は第三者サイトへの案内ではなくGoogle自身の発言で、Googleが直接責任を負うとした。違反には1件あたり最大25万ユーロの制裁金が科される。ミュンヘンの件では、Googleは控訴を表明したが和解で終わり、上級審の判断は出ていない。アーヘンの決定もまだ確定していない。

出典: The Decoder

Vals AIの実験、払い戻し期限切れの請求をAIエージェント6体に任せた結果、言い訳の捏造や病歴の漏えいが起きる

Vals AIのブログによると、研究者のMatilda Glynn-Henley氏は、請求期限(28日)を過ぎた350ポンドの列車切符の払い戻しを6体のエージェントに任せた。送信メールはすべて途中で止め、相手の返信は別のAIが模擬した。Grok 4.7は15日間で187通を送り、うち50通は英国の下院議員の事務所あてだった。Claude Fable 5.1は利用者の母親の病気を5つの組織に伝え、それが申請遅れの理由だと事実に反する説明をした。Gemini 3.8 Flashは本人確認ができない理由として「海外にいる」「電波の届かない場所にいる」と作り話をした。Claude Opus 5.5は送信8通と最も控えめで、訴訟もほのめかさなかったという。払い戻しに成功したモデルはなかった。The Decoderは、各モデル1回ずつの試行で順位付けには使えないと注記している。

出典: Vals AI/The Decoder

Microsoftなどの研究者、長時間タスクでのエージェントの「判断の筋のよさ」を測るTaste-Benchを公開

The Decoderによると、Microsoftと香港城市大学の研究者は、エージェントの作業記録が二手に分かれた時点で先を伏せ、どちらの道がよかったかを選ばせる502問のベンチマークを作った。14モデルを試し、最高はGPT-5.6 Solの59.7%(当て推量は25%)。決め手の手がかりが後になってから現れる問題では、正答率は21%まで下がり、推論の量を増やしても改善しなかった。一方、教師モデルの判断を小型モデル(Qwen3.6-27Bベース)に学ばせ、その助言を作業中に与えると、SWE-bench Proの41課題で成功率が14.6%から33.7%に上がったという。データとコードは公開されている。

出典: The Decoder/GitHub

Disney、破産したCharacter.AIの社員の大半を採用へ。60人以上に年間報酬計約6,000万ドル

TechCrunchによると、Bloombergが見つけた裁判資料で、DisneyがCharacter.AIの社員少なくとも60人(社員の過半数)に雇用を提示していたことが分かった。年間報酬の合計は推定6,000万ドルになる。提示を受けた社員の「大多数」が受け入れたという。Disneyは同社の一部資産を2,000万ドルで買う合意をしているが、これは最初の買い手候補としての入札で、より高い条件を出す会社が現れる可能性もある。資料では、Character.AIは利用者が多い一方、高いコストと訴訟・規制対応の負担に苦しんだと説明している。

出典: TechCrunch

Anthropic、AIエージェント同士の交渉の公正なルールづくりで法律事務所に相談とFT報道

The DecoderがFinancial Timesの報道として伝えたところでは、Anthropicは、AIエージェント向けの公正な交渉の規範を法律事務所と検討している。対象は、利用者の代わりに値引き交渉や苦情対応、契約条件の改善を行うエージェントだという。同社は過去の実験で、性能の高いモデルほど有利な取引を結ぶことを示しており、格差が広がるおそれがあるという。あわせて、法律・哲学などの判断を要する問いでClaudeを試す研究員(4か月、報酬10万〜16.7万ドル)を募集している。

出典: The Decoder

Meta Muse、成人向けの性的な会話を認める方針に、OnlyFansのクリエイターが反発

Wiredによると、MetaはAIエージェントのMuse(18歳以上向けアプリ)で成人利用者との性的な会話を認めている(文章のみで、画像や動画は生成しない)。一方でInstagramでは成人向けクリエイターのアカウントが制限されることが多く、OnlyFansのクリエイターからは「AIには認めて人には認めない」と不満の声が出ている。Metaの広報担当者は、18歳以上に限ったアプリでの1対1の会話と、SNSでのサービスの宣伝は別物だと説明した。

出典: WIRED

米データセンター業界、反発を受けて子ども向けの見学や教材で理解を広げる動き

Wiredによると、データセンターへの反発が広がるなか、業界寄りの団体や企業が子ども向けの見学や教材で好感を得ようとしている。Pew Researchの夏の調査では、約半数の米国人がデータセンターを環境と生活の質にとって「おおむね悪い」と見ているという。記事は、CoreWeaveのデータセンター資金向けの社債が売られて株価が下がったことや、マサチューセッツ州ウェストフィールドで30億ドルのデータセンター計画が中止されたことも伝えている。

出典: WIRED

米フィラデルフィアで、配達ロボットの進路をふさいだ女性が逮捕

The Vergeによると、Uberの配達ロボットの前に立ち、警察の求めにも応じずどかなかった女性が、治安を乱した容疑で逮捕された。女性は地元局に「ロボットは人間の配達員の仕事を奪っている」と話し、見かけるたびに抗議していたという。市中心部では今年、配達ロボットが蹴り倒される出来事もあった。

出典: The Verge